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模擬問題
Exercise
1級模擬問題
設問1
ホップ投入のタイミングは様々である。下記に示したホップ投入に関する製法名①~③を、ビール醸造工程に沿って早い順に並べたものを選択肢より選べ。
①ドライホッピング ②レイトホッピング ③ディップホッピング
- a ①⇒③⇒②
- b ②⇒①⇒③
- c ②⇒③⇒①
- d ③⇒①⇒②
正解 c ②⇒③⇒①
いずれもホップの芳香をより強調する手法ですが、ドライホッピングは、発酵終了後、煮沸の影響を受けない状態で再びホップを使用し、苦味を付加せずにホップの芳香をより強烈に与えることができます。レイトホッピングとは、煮沸終了直前、又は終了時にホップを投下することを指し、アロマホップやフレーバーホップを使用します。ディップホッピングは、キリンビールがグランドキリンのために開発した、ホップを麦汁冷却から発酵段階で漬け込む方法で、具体的には、麦汁が煮沸釜からワールプールタンク、冷却器を通った後、発酵・貯酒タンクに送られる前に加温・添加タンクを付加し、ここにホップを投入する方法です。
設問2
麦芽中のプロテアーゼによって生成された物質の説明として、誤っているものを次の選択肢より選べ。
- a 酵母の増殖に必要な物質である
- b ビールが高温にさらされた際の酸化臭の原因となる
- c 麦汁煮沸時にメイラード反応を起こし、液色を濃くする
- d マイシェの温度が65℃で保持した際に、最も生成される物質である
正解 d マイシェの温度が65℃で保持した際に、最も生成される物質である
タンパク質分解酵素のプロテアーゼは、仕込工程における麦汁煮沸の際、マイシェの温度を50℃に保持すること(タンパク休止)で活性化し、様々な分子量のペプチドとアミノ酸を生成します。尚、マイシェの65℃保持については、デンプンを分解し、ブドウ糖や麦芽糖を生成させるβ−アミラーゼなどの酵素を活性化させることが目的で、この65℃を糖化温度と呼びます。また、メイラード反応はアミノ酸と糖が熱反応し、ビールの色合いにも影響する褐色物質を生み出す反応ですが、製品化後の熱変化によって、酸化臭として甘いウイスキーのような香りの原因物質ともなります。
設問3
トラピストビールをつくるウェストマール修道院の正しい説明を次の選択肢より選べ。
- a 修道院の設立当初からビールを販売していた
- b サン・レミ修道院とも呼ばれる
- c ウェストマールを飲む専用グラスは、チューリップ型である
- d デゥベルの始まりは、ウェストマール修道院である
正解 d デゥベルの始まりは、ウェストマール修道院である
デゥベルは英語でダブルの意味です。ウェストマール修道院は聖心ノートルダム修道院とも呼ばれ、設立は12世紀ですが、ビール醸造が開始されたのは1836年からです。また、ウェストマールを飲む専用グラスは聖杯型で、香りを楽しむために口径が広くなっています。
設問4
1979年、アメリカでホームブルーイングが解禁されると多くのホームブルワーが誕生した。このホームブルワー出身のクラフトブルワーを次の選択肢より選べ。
- a キース・ヴィラ
- b ケン・グロスマン
- c ジム・クック
- d フリッツ・メイタグ
正解 b ケン・グロスマン
シェラネバダ・ブルーイングの創業者、ケン・グロスマンは、ホームブルーイングの出身です。キース・ヴィラはクアーズで働いた後にブリュッセル大学で醸造の博士号を取得してアメリカに帰国し、ブルームーンを創業しました。ボストンビールの創業者、ジム・クックは先祖のビールレシピを復活させるために、コントラクト・ブルワーとして出発しました。フリッツ・メイタグはアンカー社の株式を取得して経営に参画することからスタートし、1960年代に倒産寸前だったアンカー・ブルーイングを蘇らせました。
設問5
「 飲んだビールが50,000本」と言われるほどビール好きで、ビール会社のCMの出演経験もあり、「あやしい探検隊」シリーズや「岳物語」等の作品で知られる作家を、次の選択肢より選べ。
- a 開高 健
- b 椎名 誠
- c 村松 友視
- d 宮本 輝
正解 b 椎名 誠
1944年生まれの椎名誠は、雑誌編集者を経てエッセイや小説等の作家になりました。大のビール好きとして知られ、1980年代にはサントリー生ビールのCMにも出演しています。そのCMに使われた「すごい男の唄」はレコード化され、大ヒットしました。